160m/30mデュアルバンド逆L

G5RV(ZS6BKW)では10MHz(30m)には出れません。
また、我が家のG5RVの場合は21MHzのSWRも全然落ちません。
なので昨年(2010年)秋から1年以上にわたり10MHzと21MHzに出れない日々を送ってました。

この冬はぜひとも10MHzに出たいと思い、G5RVから他のアンテナへの変更を考えましたが、どうもやっぱり7MHzや14MHzの飛びの良さを考えるとまだまだG5RVで楽しんでみたいものです。

そこでふと思いました。

現状の1.9MHz用として張ってある逆Lの垂直部分にトラップコイルを入れ、10MHzと1.9MHz(1.8MHz)に動作させることはできないものか?

とりあえず、ダメで元々の精神で実験です。

垂直部分をバーチカルアンテナとして動作させ、その先端に10MHzのトラップコイルを入れて10MHzの動作はその部分までとし、そこから先は1.9MHzとして動作させる。
10MHzのトラップコイルは若干ではありますが1.9MHzのローディングコイルとして動作することになりますが、波長に対してコイルは小さいので損失はそれほど大きくないと思われます。

そこでまずはトラップコイルの制作です。
制作にはJJ1NNH局のページを参考にさせていただき、ほぼこの通りに作りました。
ポリウレタン線(UEW線)は手持ちのが1mmのしかなかったのでそれを使いました。
同軸ケーブルのコンデンサは、最初1mくらいのを繋げ、少しづつ切っていきます。
よくDPなどの調整では、エレメントをあらかじめ長めにしておいて、目的周波数より低い周波数に同調しているものをエレメントを切ることによってだんだん高い周波数に同調させますが、同軸コンデンサの場合は長いと高い周波数に同調しており、それを少しづづ切って低い周波数に同調させます。
なお、本来はディップメーターがあると便利ですが、私の場合はアンテナアナライザに1ターンコイルを付け、それをトラップコイルに巻き付けるようにしてディップ点を調べました。
これでも十分に調べることができます。

上の写真のビニールテープはUEW線を押さえる為の仮止めです。
このようにディップ点を見ながら同軸コンデンサを切っていきます。
10.158MHzにディップしているようなので、もうちょっと切ったあたりでやめておきましょう。

同軸ケーブルは70cmくらいになりました。
ちょっと長いので写真のように丸めてしまっても問題ありません。
あとはあらかじめ塩ビ管に穴を開けた部分にエレメントをを通し、ちょっとやそっとでは外れないようにしておきます。
とくにこのあたりは豪雪地帯ですので、雪の重みでエレメントが引っ張られ、切れる恐れがあります。

これを地面上の給電点から単純計算で7.5mくらいのところに入れます。
写真では上下の黒い線がエレメントのIV線で下から出ている灰色の線が同軸ケーブルのコンデンサです。
防水の為、自己融着テープを巻き、さらにその上からビニールテープを巻くといいでしょう。

調整は給電点のほうからエレメントを切って10MHzから合わせます。
本来ならトラップコイルの給電点に近い方の部分に調整用ヒゲを付けますが、バーチカルとさせますので垂直にした場合、調整用ヒゲも同軸ケーブルのコンデンサと一緒に下に垂れ下がってしまい、なんらかの影響を与えてしまうのではないか?ということから調整用ヒゲは付けず、給電点から調整しました。

数十cm切ったところでもう気持ちいいくらいバッチリSWRが落ちました。

その後160mのSWR調整ですが、元々1.8MHzあたりに調整してあった逆Lなのですが、それにローディングコイルが付いたようなものですので160mもエレメントを切る形になります。
これは逆Lの水平エレメントの端で切ってゆきました。

10MHz用トラップコイルの影響が出るかとちょっと心配しましたがそんなこともなく、以前と変わりないくらいに同調範囲も広く、1.85MHz付近に合わせても1.8MHz及び1.9MHz両方ともSWR1.5以下でカバーしました。

さて、他の周波数も乗るか?と密かに期待しつつアナライザのダイアルをくるくる回すとまず落ちたのが5.6MHz付近でSWR1.1。
どうやら1.9MHzの3倍として乗っているようです。
これは60mbから49mbあたりのBCLに最適!
あとは21.1MHzあたりでSWR1.7。
21MHzは諦めていたのですがどうやらこのアンテナで21MHzが楽しめそうです。
また、24.5MHz付近でSWR1.5、28.0MHz付近でSWR1.9位とこのあたりはG5RVでも同調してますが、それはそれで面白そうです。