そしてZS6BKW版G5RVへ
前のエントリーにてオリジナルのG5RVを制作したが、思った以上にSWRが高いことが気になった。
そこでいろいろ調べていくうちにZS6BKW版のG5RV(と呼んでいいのかわからないが)の存在を知った。
ZS6BKW multi-band antenna system
自分の怪しい英語読解力によれば、オリジナルのG5RVは1950年代の終わり頃、同軸ケーブルの無いハシゴフィーダーの時代に考案されたものなので、現在の50Ω同軸ケーブルで給電することは考えられていなかった。そこでZS6BKWが1980年代中ごろにインピーダンス50Ωの同軸ケーブルでも給電できるようにと計算し直したようだ。
こちらにはオリジナルG5RVとZS6BKW版との比較がある(PDF)
ZS6BKW vs G5RV(PDF)
どうやらオリジナルに比べてSWRがかなり低くなるらしい。
長さは、水平部のエレメントが片側14.2m、平行フィーダー(300Ω)が11.1mとなる。
また、ZS6BKW multi-band antenna systemによれば、バランを通さずに直接フィーダーと同軸を接続し、そのかわりフェライトコアを6個くらい同軸に挟むようだが、私は先に作ったG5RVに繋いだバランを利用した。
(もし後日時間があれば、バランを通さずにフィーダーと同軸を直結した場合も試してみたいと思う。)
さて、そこで早速実験してみた。
両側のエレメントを1.34mカットし、平行フィーダーを2.6mつぎ足した。
アンテナそのものの地上高が約10mのため、11.1mのフィーダーが地面についてしまうので、手持ちの塩ビパイプなどで杭を作り、そこにフィーダーをたるませるように添わせて長さを稼ぎ、バランは地面に置くような形になった。
SWR測定の結果は以下の通り。
3.5MHz帯
3.65MHzにてSWR2.95で最低点。
3.51MHzでは3.2。
7MHz帯
6.65MHzにてSWR1.8で最低点。
7.01MHzでは2.1。
10MHz帯
10.1MHzにてSWR6以上。
14MHz帯
14.15MHzにてSWR1.15で最低点。
18MHz帯
17.75MHzにてSWR1.15で最低点。
18.10MHzでは1.75。
21MHz帯
19.51MHzにてSWR3.25で最低点。
21.10MHzでは4.8。
24MHz帯
24.75MHzにてSWR1.4で最低点。
24.90MHzでは1.6。
28MHz帯
28.70MHzにてSWR1.1で最低点。
29.30MHzでは2.2。
50MHz帯
50.80MHzにてSWR1.3で最低点。
50.20MHzでは1.7。
51.00MHzでは1.4。
このような結果になった。
3.5MHzと10MHzと21MHzのみSWRが上がってしまったが、あとはなかなか良い成績である。
10MHzに関しては元々このアンテナでは10MHzは乗らないので諦めていたが、マニュアルのチューナーを使えばなんとかSWRを落とすことが出来る。(しかし飛びはかなり悪いらしい。)
他のバンドは全てオートチューナーで落とすことが出来た。
飛びの方は今のところ不明であるが、とりあえず雪が積もる前に冬越えのアンテナが完成した。
冬越えのアンテナと言っても、調子が良ければこのままずっと上げていたいと思う。
ディスカッション
コメント一覧
ZS6BKWはまだあげていらっしゃいますか。
リタイヤ後のアンテナに、近くあげてみようと思っています。
7MHzのSWRはその後いかがでしょう。
コメントありがとうございます。
この記事を書いてから2度ほど下ろしたりまた上げたりを繰り返していますが、今はまた上げてから3年程経っております。
7MHzのSWRはこの時に作ったものよりも落ち、1.5以下になっております。
7と14に関しては、DPよりも飛んでいるようです。
楽しいアンテナです。どうぞご検討下さい。
JR0GFM 局、
返信ありがとうございます。出張でお礼が遅くなりました。
7/14MHz共に1.5以下ということでたいへん嬉しく思います。
アクリル棒を買ってきまして、これから450Ωのラダーフィーダーを作成する段階です。高さはせいぜい10-12mで若干傾斜するカタチになりそうです。7MHzにもでていらっしゃるようでしたら、いつか7.100前後でQSOしていただけれれば幸いです。
またこちらのページに遊びにきますね。今後ともよろしくお願いいたします。
JG3IBG
コメントありがとうございます。
ラダーフィーダーを自作されるとのことで、フィーダーの幅が広くなるとフィーダーの長さも12m以上必要になるかもしれません。また水平エレメントとフィーダーの長さとの関係でSWRが思うように落ちないかもしれませんが、ぜひカット&トライで頑張ってみてください。
地上高が10mくらいしか取れない場合は水平エレメントをベントさせても良いかと思います。
私が現在使用している形は下記のものとなります。
http://jr0gfm.rogumi.net/archives/3471
ご参考になりましたら幸いです。
アドバイスありがとうございます。
貴殿の丁寧なレポートは私のような製作初心者には本当にありがたいです。お写真にはこのアンテナに並行してもう1本あげられていますが、10MHzなど他バンド用でしょうか。
エレメント長・フィーダー長&幅は微妙に関係しているのですね。調整でエレメント長を変えられることはありましたか。高い木に何度も登るより、調整はなるべくラダーライン長で出来ればベストです。
12mHにあげれば14MHzは良好ですね。私はCW派ですが、ハイバンドがさびしい冬の夜長も7MHzがあればそこそこ楽しめそうです。サイクル上昇期には18MHzのおまけつき。言うことなしですね。
こんにちは。
もう一本見えるのは160m用の逆Lです。
今は他に10MHzのバーチカルを地面から建てています。
調整はソータバランに繋いだフィーダーのカットのみでして、水平エレメントはカットしておりません。
なので、高い場所に登ったり降りたるする必要もなく、地面の上で調整ができますのでとても楽です。
私もCWがメインなのですが、このアンテナでミズホのピコ14の2WでCQ WW DXコンテストに参加したり、18MHzでは0.5WでWの西海岸と出来たりしています。
単純な作りではありますが、案外飛ぶのには驚いています。
160mでしたか。すごいですね。未知の領域です。7MHzでWやVKに飛べば喜んでるレベルです。ピコ14の2Wとか18MHz/0.5Wなど想像を絶します。
ソーターバランの機能に関して素朴な質問ですが、インピーダンス調整と考えてよろしいでしょうか。MMANAで計算してもとんでもない数値(SWR最良点が1.4、帯域も1.5以下はせいぜい100KHz)で、困惑しています。平行フィーダー間隔は34mmで約450Ωとでたので、それで入力しています。
とにかくエイヤ!であげてみてからの調整かなとも思ったり。
もしご迷惑でなければメールをお送りしてもよろしいでしょうか。
コメントありがとうございます。
後ほどこちらからメール送信させて頂きます。
少々お待ちください。