【10m FM】9月の伝搬実験は富士山剣ヶ峰から

2017年9月16日

毎年恒例の10m FMの9月の伝搬実験。

例年ですと9月の第一土日に行われるのですが、今年はハムフェアが9月2日3日と行われたため1週遅らせ、9月9日10日に行われる事となりました。

今年は私もどっかしらの山頂から出たいと思っておりました。

候補地として・・・・。

  • 妙高山(うちの裏山)
  • 小蓮華山〜白馬岳(新潟CBロールコールでリタイアしたためリベンジ)
  • 岩菅山(奥志賀)
  • 仙丈ヶ岳(南アルプス標高3,033m)
  • 金峰山(奥秩父 標高2,599m)
  • 富士山(剣ヶ峰)

いちばん近いのは我が家の裏山である妙高山。ちょっと走って奥志賀まで行けばまだ登ったことのない岩菅山、小蓮華山〜白馬岳はぜひリベンジしたい、でもどうせ山に登るならいっそのこと3,000m越えの仙丈ヶ岳、でももうちょっとゆる〜く金峰山・・・・・なんて迷っていたのですが、開催日が近くなるにつれて各局より各々の移動地の発表があり、そんな中、JI0LQJ局が突然の佐渡島移動を発表!一気に移動地選定が佐渡を中心とするようになったのです。

恐ろしいほど飛ぶ佐渡です。だったら本州を横断するくらいの場所・・・・・富士山か?

昨年は富士山山頂からZERO1000-29の100mWとロッドアンテナでどれくらい出来るか?みたいなことをやりました。
しかしまだ剣ヶ峰には登れていません。

だったら富士山剣ヶ峰から佐渡を狙ってみようか。

たぶん出来ると思う、だけどどれくらいの信号強度で出来るのかは不明、ここで100mWのZERO1000-29だけを持っていくって言うのは冒険過ぎる。なのでAZ-11の5Wでやってみることにしよう。アンテナは山移動でおなじみの1/2λ電圧給電エンドフェッドか?いや、できるだけ荷物を軽くしたいし、剣ヶ峰で釣り竿を高々と上げられるのかもわからないのでロッドアンテナで。それも2.5m長のやつで(←これは後日製作記事としてこのブログにて紹介予定)。

そんなことを思い描きながら富士山剣ヶ峰への計画を立て、準備を進めるのでした。

 

さて、ザックに入れる無線機類がこちら。

  • AZ-11本体(510g)
  • 予備バッテリー(255g)
  • AZDEN純正ロッドアンテナ長さ133cm(80g)
  • 自作2.5m長ロッドアンテナ(190g)
  • 2.5mラジアル線(90g)
  • CB機 RJ-410(450g)
  • スタンダードC701(172g)

合計約1.75kg

結構な重さです。
特にRJ-410は持って行こうかどうしようか悩みましたが、当日は山形県月山山頂より「日本海山形FLRC」もあり、富士山と月山がCBで出来るかもしれないという期待と、それを狙う新潟各局とも出来るかもしれないという淡い期待が大きくなり、結局持っていくことにしました。

さて、剣ヶ峰を目指すには富士宮市側からです。昨年と同じく水ヶ塚駐車場にて車中泊。そして昨年より30分早い3:30に起床。予定では昨年と同じペースで歩けば12時前には剣ヶ峰に着ける計算となります。

誤算その1:タクシー待ち大行列

昨年は8月のシーズン中とは言え、平日だったためかタクシー乗り場に行けばタクシーのほうが登山客を待っている状態で、登山客が3人集まった時点で登山口である5合目に向かうことが出来たのでした。(私は4人集まってからにしたかったのが、一人の人がちょっと急ぎたいということで仕方なく3人で)
しかし今年は9月とは言え土曜日ということだからか、タクシー待ちに長い行列。
結局1時間くらい並んでようやく乗れたのが5:20。
ちなみにこの日はバスが増便となり、始発バスが5:30でした・・・・・。

5合目に着いたのが5:50。そして準備をして登山開始が6:00。
昨年より40分遅れです。

富士宮口5合目

その遅れを取り戻すためにちょっとペースを上げ気味で歩いたのでした。
そのおかげで7合目くらいまでは標準コースタイムの8割くらいの早さで登ることが出来てたのですが、ここで無理が来てしまったようです。

誤算その2:危うく足が攣りそうに

重い荷物と無理して速いペースで歩いてしまったため、新7合目を過ぎてから急激にペースが落ち、そして9合目あたりから右足太股にピリピリと違和感が・・・・・これ、ヤバい奴・・・。足が攣る前兆です。
元祖7合目でゼリー状のアミノバイタルを飲んだのですが、飲むのが遅かったのと、実はそれまで水分は全然摂ってなかったのです。
天気も涼しいから「水が飲みたい!」とも思わない。むしろ飲んでる時間がもったいないし、富士山のトイレは全て有料なのでできることならあまりトイレには行きたくない・・・なんて思っていたのが間違いでした。
ゆっくりと歩いて休憩できるほどのスペースのある場所まで歩き、一旦そこで休憩と水分補給。そして顆粒のアミノバイタルを水で流し込みます。
ちょっと休んで立ち上がればなんとか歩けそう。ゆっくりめに歩いていると今度は左足太股にピリピリと来始めました。

これはまさかの妙高山九合目の悪夢再びか!?

それほど広くもない登山道だったけど背に腹は代えられないので出来るだけ登山者の邪魔にならないところに避けて休憩をとります。
脚を曲げたり伸ばしたりさすったりしているとその状況を察した外人さんが「ダイジョブ?」なんて声をかけてくださいました。
「okey, Thank you」なんて言うのが精いっぱいでした。
さらに水を飲んで大休憩。焦る気持ちを抑えつつ、とにかく歩けなくなったら剣ヶ峰どころか富士宮山頂すら無理。回復を待とうと言い聞かせるのでした。

20分くらい休んだでしょうか。大丈夫そうな感じなのでまたゆっくりと歩き出します。

九合目、妙高山なら九合目までくればあと少しなんですが、富士山は九合目からが長い!
ペースもかなり落ちてしまってます。
しかし、脚のほうはすっかり違和感もなくなり、かなり普通に歩けるようになりました。

九号五勺に着くと時間も12時となり、予定では剣ヶ峰でCQ CQってやってるはずでした・・・・・。

13:10、予定より1時間以上遅れて富士宮口頂上に到着。

まずは浅間大社奥宮にて参拝。
昨年参拝させていただいてからのこの1年間のお礼をさせていただきました。

さて、参拝を済ませていざ剣ヶ峰に向かおうとすると、あれ?剣ヶ峰渋滞してね?

富士山剣ヶ峰

嫌な予感を感じつつも、剣ヶ峰手前の「日本一高い坂」である馬の背を登ります。
噂には聞いてましたが、キツかった・・・・・。

誤算その3:剣ヶ峰大行列

13:30、ようやく剣ヶ峰直下まで来ると、なんと大渋滞と言うより大行列。

剣ヶ峰直下

皆さん「日本最高峰富士山剣ヶ峰」の山頂標と一緒に写真を撮るための行列でした。
写真を撮らない人は行列の左側をスイスイと登っていけるのですが、私もさんざん迷って結局行列に並ぶことに。
このあたりはなんとか携帯の電波も届いていたので新潟CB各局に剣ヶ峰直下まで来たけど大渋滞となっているためオンエアは14時を過ぎるかもしれないと連絡。

しかし、それまでずっと歩いていたから体は温かかったけど、行列に並ぶとほぼ動かない。だから山頂の寒さがモロに直撃します。
まさに極寒。
慌ててザックから持って来た衣服を全て着込んで防寒対策。
それでも風が吹けばホントに寒い!

 

30分ほど並んでようやく剣ヶ峰に到着。

富士山剣ヶ峰

富士山剣ヶ峰

誤算その4:CBでパイルアップ

サクッと写真撮って剣ヶ峰の奥の立ち入り禁止の柵の手前へ。
剣ヶ峰では携帯が完全に圏外になってしまいました。
おそらく剣ヶ峰直下でなんとか拾っていた電波は、剣ヶ峰の気象観測所の建物の影響で遮られてしまうようです。
こうなると新潟CB各局に連絡が出来ないのでもうダメ元でCB 8hでCQ CQ CQ。

やっちまいました・・・パイルアップです・・・・・。
超ショートQSOに申し訳ないと思いながらパイルを捌きます。
すると、相手局さんからコンディションが開けてきているので他のチャンネルに移ったほうが良いとのQSPが。
こっちでは全くコンディションが開けているとは気付かなかったので慌てて5chを確認。とりあえず大丈夫そうなので8chから5chへQSYしました。
しかし、今思えばこの時点でQRTしておけば良かったのかもしれません。

関東・東海(静岡)の局ばかりでしたが、時折「新潟局いらっしゃいますか?」とか「長野局いらっしゃいますか?」とかアナウンスするもそっち方面からの電波は確認できず。

結局、サイタマ局とQSO終了後、3秒ワッチして呼ばれなくなったと判断し、「一旦QRTします!」とアナウンスして、後ろ髪を引かれる思いでCBはQRT。

結局新潟各局とのQSOは叶わずでした。

14:30、急いでAZ-11に持ち替えます。
各周波数をワッチするとさすが移動日、全ての周波数が埋まってます。
誰か知ってる人の声は聞こえないかとワッチしていくと、JR1NVJ局とJH1RVX局の声が聞こえてます。
どうやらちょうど富士山の話でしたので、普段ブレーク嫌いの私ですが、これはブレークせずにはいられないと思い、声をかけさせていただきました。

JR1NVJ「ブレークどうぞ」
JR0GFM「はい、皆さんお久しぶりです。こちらはJR0GFM、私が噂の富士山です!どーぞ!」
JR1NVJ(爆笑)

日本一高い場所から笑いを取るのはなかなか気持ちの良いものです。

お久しぶりのご挨拶と無事に登ってこれたこと、そしてオンエアが遅くなってしまった御詫びをさせていただきました。
そしてなんとNVJ局のご好意により、こちらから勝手にブレークを入れさせていただいたにも関わらず、29.260の周波数での運用を勧めていただきました。
お言葉に甘えてそのままその周波数で続けます。
初めての局ありお久しぶりの局ありで各局にご挨拶しつつ、富士山剣ヶ峰への登頂を報告させていただきました。

しかし、空気が薄いので無線で喋ってるととにかく息が切れます。そしてあまりにも寒いので口が回りません。
ただでさえ滑舌が悪いのにもう何言ってんのかぜんぜんわからないことがしばしば。
聞き取りずらい声で申し訳ありません・・・・・。

何局かQSO続けるも、タイムリミットは15時。5合目から水ヶ塚駐車場へのバスの最終が18:45なので自分の足では3時間半は見ておきたい。

そんな焦る中、タイムリミット5分前についにJI0LQJ/0大佐渡スカイラインとQSO。
今回の富士山剣ヶ峰移動の一番の目的が達成された瞬間でした。
信号は意外に強い59/59。これならZERO1000-29 100mWでも出来たはずです。
なんか悔しい・・・・・。
お互い佐渡島〜富士山山頂とのQSO成功を喜びあいました。

最後にもう1局QSOしてホントにタイムリミット15時。
おそらくまだ待機されてた局もいらっしゃったかもしれません。本当に申し訳ありません。
「各局すいません、下山させてくださーい!ありがとうございました。これにてQRTとなります」とアナウンスすると、ずっとワッチされてた各局から次々と労いのお言葉をいただきました。

ありがとうございます。ホントに感謝感激です。

日本一高い場所からの29MHz FM運用、たった30分だけの運用となりましたが、この上ない充実した時間でした。
QSOしていただいた各局、いろいろご協力していいただいた各局には心よりお礼申し上げます。
また、運用開始時間が大幅に遅れてしまったため運用時間そのものがとても短くなってしまい、大変申し訳ございませんでした。

 

15:00、慌てて無線機とアンテナをザックにしまい、担ごうと持ち上げた瞬間思い出したことが・・・・・記念撮影忘れた!


今回大活躍のAZ-11

再度慌ててザックにしまい、そしてとにかく下山。

5合目のバス停に着いたのが18:42でした。
(なお、この日は最終便が19時の便が増便として出ていたとの噂)

今回3回目の富士山ですが、苦しかったけれども剣ヶ峰での運用はとても充実したものでした。
しかし、正直なところ、10m FMの移動日なんだからCBは思い切って置いてゆくべきだったと反省しています。
1時間あればもっとたくさんの局と出来ただろうし、もっと遠くの局とも出来たはずです。
そしてなにより、15時前に切り上げて、慌てずに下山することも出来たかもしれません。

さて、来年は、うまく予定と天気が合えば、もう一度富士山から10m FMで挑戦したいですね。
できればZERO1000-29 100mWで参戦したいと思う次第であります。

QSO頂いた各局には心よりお礼申し上げます。

 

CB

コールサイン His RS My RS 移動地等
カナガワAC288 M5 57 湘南平
フクシマAB34 M5 59 大田原市
サガミFJ1300 M5 52 相模原市
イバラキLM85 M5 51
イバラキLG125 M5 57
サイタマUK691 M5 53
シズオカTR103 M5 53
トウキョウMS25 M5 55 立川市
カミサトMK101 M5 M5
サイタマAD966 M5 54

 

29MHz FM

コールサイン His RS My RS 移動地等
JR1NVJ 59 59 茨城県久慈郡大子町
JH1RVX 59 59 埼玉県秩父市秩父槍ヶ岳
JM1KID 51 59 埼玉県児玉郡
JP1DMR 54 59 埼玉県比企郡寄居町
JP1VCF/1 56 59 埼玉県加須市
JH1UWQ 59 59 埼玉県富士見市
JE7RVY 59 59 宮城県蔵王山(刈田岳駐車場?)
JG1TKM/1 59 59
7M1QNJ 59 59 山梨県南都留郡鳴沢村
JR1JCQ 59 59 山梨県南都留郡鳴沢村
7M4HXT 59 59 長野県長野市聖山
7K2NIX 59 59 群馬県太田市
JE0ANW/0 59 55 長野県大町市
JI0LQJ 59 59 新潟県佐渡市大佐渡スカイライン
JN1VBN/1 59 59 東京都西多摩郡

上記ログは、極寒の中で震える手で書いたものを転記したもので、自分でも解読困難な部分が多々あり、特にCBのコールサインが間違っている局がいらっしゃるかもしれません。もしお気付きの点等ございましたらコメントにてお知らせください。