【10mFM】ヘリカルアンテナ He-5号の製作
10m FM界でHe-5号と呼ばれるヘリカルアンテナを製作しました。
詳細な製作記事はこちらのPDFで。
なお、このサイトでの公開にあたって、快く公開を許可していただいた7L3IJF局に心より感謝いたします。
また、他の10m FMアンテナの製作記事もたくさん公開されてますので、7L3IJF局のサイトもごらん下さいませ。
材料:
ベースコネクター Φ20mm
これはヤマワさんにて購入しました。絶縁タイプではありませんのでご注意下さい。
グラスロッド
ヤマワさんでも売ってますが、私は近くの釣具店にて購入しました。ただ最近はグラスファイバーの釣り竿を探すのがちょっと難しくなってきてるようです。
初心者用の格安の竿として売られていることが多いようです。
銅箔テープ 幅6mm
今回Amazonで購入しましたが、正直なところ薄くてとても巻きにくく、すぐに切れてしまうためおすすめしません。
もうね、金沢の金箔職人がこだわりの製法で薄〜く薄〜く作ったんじゃないかってくらいです。
オヤイデさんのオンラインショップでの購入を強くお勧めします。
結局今回は、机の中で20年以上眠っていたと思われる超長期在庫の銅箔テープを使用しました。
厚みはあって丈夫なのですが、いかんせん古いので銅箔としての艶がなく、かなり年季の入ったヘリカルができ上がりました。
熱収縮テープ
黒がカッコいいのですが、聞くところによると黒はカーボンが混ざってる?という未確認情報があります。
本当かどうかはわかりませんがもし本当なら調整や飛びに若干影響は出ると思いますので、今回は透明(白)のものを使いました。
他、UEWポリウレタン線少々、圧着端子、圧着スリーブ、エポキシ系接着剤、自己融着テープ等。
今回のこだわりとしては、「極力ハンダ付けはしない!」ということです。
ハンダによる抵抗もバカにならないようなので、できるだけ接続には圧着スリーブを使いました。
もちろんスリーブ内はヤスリで磨いてメッキをはがします。
さて、まずはベースコネクターに入る径に合わせてグラスロッドを切断し、ベースコネクターに合わせて仮に差し込みます。
そしてベースコネクターの上部から1cmくらい下の部分にドリルで穴を開け、またベースコネクターの上部から120mmよりちょっと上の辺りに穴を開けます。
2mmのUEW線をグラスロッドに空けた穴に差します。
下から出たUEW線をベースコネクターに差し込み、ハンダ付けします。
って、おい!いきなりハンダ付けかよ!ハンダ付けしないんじゃなかったのかよ!
という突っ込みがたくさん来そうですが、ベースコネクターの芯線につなぐにはもうハンダ付けしかありませんのでこりゃもうしょうがないでしょう。
そのかわり、2mmという太めのUEW線を使いましたので、コネクター内でハンダ付けされてない部分でも接触しているはずなのでハンダ付けはあくまでも抜け防止ということで。
続いて、グラスロッド下部に薄くエポキシ系接着剤を塗り、ベースコネクターに固定します。
その際、グラスロッドの穴から出したUEW線が太いため、穴から亀裂が入る可能性があります。
グラスロッドは穴を開けた部分が極端に弱くなってますのでそれ以上弱くならないように注意して作業します。
なお、接着剤で固定してから硬化するまで丸一日以上は放置したほうがいいでしょう。
さて、丸一日くらいたったらロッドの穴から出ているUEW線とマッチング用コイルとして使用するΦ0.8mmくらいのUEW線とエレメントとして使用する銅箔テープを圧着スリーブで圧着します。ヤスリ等でUEW線の被覆をはがすのはもちろん、圧着スリーブ内のメッキをはがすのも忘れずに。
マッチング用のΦ0.8mm UEW線はとりあえず23回巻きました。銅箔テープの巻く向きとは逆向きに巻くことに注意してください。下の部分はビニールテープ等で仮留めしておきます。
さて、いよいよ楽しい銅箔テープ巻きです。
3mmピッチで6mくらい巻きます。
ピッチの乱れは心の乱れ。
きれいに3mmピッチを守って巻けるようになればきっと悟りが開けるでしょう。
私が悟りを開けるようになるまではあと100年はかかりそうです・・・。
一通り巻いたらマッチング部のUEW線の下部をベースコネクターにビニールテープ等でしっかりと接触させ、実際に車に取り付けて調整します。
もちろんしっかりと車体アースのとれているアンテナ基台に取り付けます。
予想通り27MHzでSWRがしっかりと下がってます。
CQデルタデンマークエックスレーイって感じでしょうか。
もちろんこのままでは使えませんので(笑)、巻いた銅箔テープを少しづつほどいては切りを繰り返し、29MHzに合うようにします。
車種によって長さは変わってくると思いますが、私の場合は10ターン分くらいほどきました。
その際、あとで熱収縮チューブを被せると同調点が300kHzほど下がりますので、SWRの最低点はこの時点では29.500MHzくらいに合わせておいたほうが良いです。
こんな感じで29.600MHzでバッチリ下がりました。
ちなみに、29.300MHz付近では・・・
いい感じに下がってます。
っていうか、29.600MHz付近と大差ない感じで、非常に広帯域が期待できます。
このとき、インピーダンスも計ってみたところしっかりと50Ωとなっており、マッチング部分のUEW線をカットする必要はありませんでした。
もし大幅にインピーダンスが違っていてSWRがうまく下がらないようでしたら、このUEW線をカットしたりもう少し巻き数を増やしたりするのですが、ほとんどの場合は20〜23回巻きくらいでいいようです。
さて、ある程度の調整が出来たところで、ビニールテープて仮留めしてあるマッチング部のUEW線の先に丸形圧着端子を付け、ベースコネクターの穴を開けた部分にしっかりとビス留めします。もちろんヤスリ等でしっかりと磨くのをお忘れなく。
そして、銅箔テープをほどいて余ったロッドの上部を切断し、最後の仕上げとして熱収縮チューブをかぶせ、上部を自己融着テープ+ロッドに付いてたゴムのキャップで防水し、マッチングコイルの下部も下からの水分の浸入を防ぐために自己融着テープで防水して出来上がりです。
最後のチェックとしてSWRを確認してみましょう。
29.30MHz、バッチグーグー バッチグーですね。
29.600MHz DX周波数もバッチリ下がってます。
ちなみに・・・
主にAMで使われている28.300MHz付近も十分下ってます。
非常に広帯域なのには驚きました。
さて、他のアンテナとの比較実験を行ったところ、CR8900より1メモリ上、BIC-10Hと同じ位かちょっといい感じというレポートを頂きました。
全長で約1200mmくらいとなり、私個人的にはもうちょっと長くしたかったのですが、まぁ概ねこんなもんでしょう。
ただし、径が太いためか走行時の風切り音が少々気になります。
見た目がコレなので見る人が見れば11mか!?と思われそうですので、間違いなくいつか職質がくるでしょう。
思うつぼです。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません