シブイチ神話の崩壊〜ヘリカルアンテナHa-2号の製作
クルマには29MHzFM用として、牽引フック基台とスプリング基台(今では希少品)に約2.5m長の1/4λフルサイズホイップを付けて走り回っていました。
波長が長いため2mや430みたいに簡単に利得が稼げないどころか、普通の市販の28MHz用モービルホイップではむしろロスになってしまうくらいなので、だったら1/4λフルサイズが最高だろうというわけで愛用していたわけです。
ただ、給電部が地面スレスレというのが少々気になっていました。
以前、フック基台にマストを取り付け、そこにサガのSuper10FM2を取り付けた場合と、フック基台からマストを外し、スプリング基台に付け替えてそこから1/4λフルサイズをつけた場合の違いのレポートを頂いたことがありました>その節はありがとうございました@IVNさん。
Super10FM2の長さは約150mm、マストの分だけ給電点が高くなるというメリットに対して、給電点は低いけど、1/4λフルサイズという長さはどちらが優位かということで調べた結果、1/4λの方が若干ではあるがノイズが少ないというレポートでした。
ならばということで1/4λを付けていたわけだったのですが。
さて、ネットを徘徊していて見つけたのが7L3IJF局のサイトで、昔10m FM Hand Made Circleが発行していた各種ヘリカルの製作についてのPDF(後述)。
この中のHa-2号という、まるでスリーブアンテナをヘリカルにしたようなアンテナが公開されており、これに非常に大きな魅力を感じました。
グラスファイバーの釣り竿に同軸ケーブルを通し、全体の真ん中あたりに二つ穴を開け、それぞれから芯線とアミ線を出して銅箔テープを巻いていくというもの。
で、釣具屋で安いグラスロッド(1,000円)を購入し、秋葉原行ったついでに電線屋さんで銅箔テープ20m巻?1,500円を買ってきておいて、残るはベースコネクタの部分。
これはヤマワさんで20mmのを購入。
なお、手に入りづらい銅箔テープですが、ぐぐったらオヤイデ電気さんで購入できるようです。
こちらの「産業用電線」のカテゴリから「アルミ箔/銅箔テープ」を選んでください。
6mm幅のをおすすめします。
材料が揃ったところでいざ製作。
グラスロッドに空けた穴から同軸の線を出すのに苦労しつつも、だいたい2時間弱くらいで完成。
アンテナアナライザでSWRとインピーダンスを測定すると、一発OK。
実は下側の銅箔巻で長さを間違えてしまい、銅箔テープを60cmほど余らせてしまったのですが、これがちょうどよかった?ようです。
でも本来の調整は上側の銅箔テープを切りながら調整するほうがいいでしょう。
熱収縮チューブをかぶせて完成。
翌日、早速試してみたところ、糸魚川のJI0LQJ局より以下のようなレポートを頂きました。
場所はLQJ局は自宅で八木の水平、私は姫川大橋のちょっと手前。
LQJ/私 使用アンテナアンテナ
57/53 今回作ったHa-2号
56/51 以前作ったヘリカルHe-5号
55/– 1/4λフルサイズ
1/4λに変えたところ、なにか言っているような気がするけど、ほとんど分からないと言う状態。
自分の中のシブイチ神話が崩れた瞬間でしたorz。
まさかこんなに差が出るなんて・・・。
念のため、1/4λを付けていた基台かケーブルに問題があるのでは?と思って、フック基台+スプリング基台の部分にHa-2号を付けてレポートを頂くと、最初よりはちょっと落ちるという程度。
完全にシブイチ神話が崩壊orz
意外だったのが、以前製作したHe-5号もかなり健闘していたということです
ということは、フック基台にマストを付けた状態でHe-5号やHa-2号を付ければもっと良いのでは???
だけどマストを付けるとSWRが大幅に違ってくるのでこれはやりません。
そして1週間後、下越方面に行く用事があり、その途中新潟市のJG0GJG局より以下のようなレポートを頂きました。
GJG/私 使用アンテナ
58/53 Ha-2号
55/51 29/51デュアルバンドヘリカル(後述)
58/53〜54 He-5号
レポートありがとうございました>GJG局。
さて、ここではHe-5号で53〜54のレポートではありますが、He-2号の方が安定して聞こえているとのことです。
ここでもHe-2号が優位に。
さて、ここで出てきた29/51のデュアルバンドのヘリカルですが、実は富山の局から譲っていただいたものです。
どうやら元はHe-5号で、それに細い同軸でスタブを作って51MHzにも同調させているような感じです。
元がHe-5号ではないか?と思ったのはこの給電部でした。
He-4号はマッチング部分にコンデンサを使っているのですが、このコンデンサを省くために銅箔テープを逆巻にしてマッチングを取ったのがHe-5号です。
さて、Ha-2号ですが、長さは150mmくらいで市販の28MHzモービルホイップと同じくらいかちょっと長いくらいですが、特徴は給電点の高さです。
特に低い周波数のモービルホイップは、設置の安定性を高めるためにベースローディングが多いようですが、やはり下の方にコイルが入るとどうしても車体の影響を受けるため飛びが悪くなります。
そこで今回のHa-2号は給電点が全体のほぼ中央にあり、車体の影響を受けやすいハッチバックへの取り付けでもほとんど問題ないどころか、手持ちの10mFM用アンテナの中でもいちばんいいレポートを頂くことが出来た次第です。
さて、実はこのサイトのリニューアルをしていたというのは、10mFM Hand Made Circleの会報のPDFをこのサイトからダウンロードできるようにそれ専用のページを作るためなのでした。
せっかくこのような貴重な資料があるのですから、7L3IJF局のサイトだけでなくこちらのサイトからもダウンロードできれば最高なのでは?と思い、7L3IJF局に問い合わせたところ快くご承諾頂きました。
今のところまだそのページは製作中ですが、取りあえず今回の参考となったHa-2号についてのPDFとHe-5号についてのPDFを下記にリンクさせておきますので、ご参考ください。
He-5号
No50
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