VCHアンテナを作ってみた(その3 調整編)

コイルとエレメントを竿に取付け、裏庭にて調整。

まずは7MHzから・・・・・とりあえずそのままの状態では8.5MHzあたりに共振点が有るようだ。
コイルのタップをいじってみたりいろいろとやってみたけどダメ。
どうやらコイルの巻き数が足りない模様。
また巻き間隔をもうちょっと狭くできればよかったのかもしれないが、今さらこれらはどうにもならない。
とりあえずこれは後の課題と言う事で。

コイルの下から11番目のタップにミノムシクリップを挟んで10MHz帯を調べてみる。
この状態では10.3MHz付近に共振しており、タップの位置を変えてもあまり芳しくないので、 ラジアル線を半分に折り返してみた。すると10.13MHz付近にいい感じでSWRが落ちてくれた。

次はコイルの下から5番目のタップにミノムシクリップを繋ぎ、14MHz帯の調整。
これもラジアル線は半分に折ったまま測定してみると、14.1MHz辺りでSWR1.5とまぁなんとかなるかのレベルとなった。

しかし、肝心の7MHz帯のSWRが全く落ちないのは困ってしまう・・・。

そこで、上エレメントの1.5D2VをCQ誌の記事などにあるような1.45mから思い切って1.6mに変えてみた。
そしてさらにラジアル線も5.2mから6mくらいに変えてみると、7.1MHz付近でSWRが1.3位まで落ちてくれた。
メインとなるCW帯ではSWR1.5で、あともう一息というところ。

ここで、以前このVCHアンテナについての記事を読んだ時にふと思った事を思い出した。

「なぜラジアルが1本?」

筆者のメインのアンテナとなっているButternutではラジアルが命と言っても過言ではなく、ラジアルが無ければSWRは下がらないし飛びも悪い。
だから当初4本だったラジアルを少しづつ増やして今では約30本ほどのラジアルを埋設している。
そのせいか、少なくとも設置当初よりSWRの帯域は広がっている。
なのでVCHアンテナも、1本だけでなく複数のラジアルを接続すればもっと効率が良くなるはずである。

そこで、15mほど買ってきた2線ACコードの余った分6m×2本をラジアルとして繋ぎ、5.2mと6m×2本の計3本のラジアルとしてみた。

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そしてSWRを計ってみると、7.05MHz付近を中心に見事にバンド内綺麗にSWRが落ちた。

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CWバンドとなる7.02MHz付近もSWR1.25くらいと素晴らしい結果になった。

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もちろんバンド拡張となった7.2MHzあたりまでSWR1.5以内におさまっている。

次に10MHz帯の調整。
これもラジアル3本を繋いだが、そのままの状態では9MHzあたりで同調していたのでラジアル線3本とも半分に折り曲げてみると、これもバンド内SWR1.1くらいという好結果となった。

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さて、次に14MHz帯である。
1.5D2Vの上エレメントを長くしてしまったためか、12〜13MHzくらいに同調してしまっている。
ラジアルを半分にしようが1本にしようが全くバンド内に同調してくれない。
かと言って長くした上エレメントを切断すればせっかく同調してくれた7MHzも元に戻ってしまう。
さてどうするか・・・・・、そう言えばButternutの21MHz帯の調整ではスタブのワイヤーを丸めたり延ばしたりして調整した。
ならばこれも丸めれば短くしたのと同じ事になるのでは?
そう思って上エレメントを15cmほど丸めて短くしてみた。
その結果、これも見事に14MHzバンド内SWRが落ち、14.02付近がSWR1.1、14.30付近がSWR1.25くらいというこれまた好結果となる。

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VCHアンテナにラジアルを複数追加すると言う方法はかなりメリットが大きいようで、SWR帯域が広がるだけでなく、おそらく飛びにもかなりの良い影響を与えるのではないかと思われる。

丸めた上エレメントはこんな感じ。

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手軽な移動用アンテナとしてFBであるが、ここにきてラジアル線の1本や2本増えたところで若干かさばる事はあってもそれほど重くなる事も無いだろう。

できれば今週末辺りにでもフィールドテストを行ってみたいと思う。

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